えごま、えごま油、えごまの葉について、概要や効能を解説します。

えごま、えごま油とは?

  えごまは別名、ジュウネンと呼ばれる東南アジア原産のシソ科の一年草で、通常の「ごま」と呼ばれる植物とは全く違うものです。えごまの種子を圧搾して取れる油は、えごま油、しそ油などと呼ばれます。
  えごま油(しそ油)は、豊かな風味や芳香を持ち、必須脂肪酸である α-リノレン酸が豊富に含まれている油です。α-リノレン酸は、 n-3系多価不飽和脂肪酸グループのEPA、DHAになることが特徴です。

えごまの効能

  従来の食事指導ではコレステロールの摂取量を減らし、飽和脂肪酸の摂取を減らし、リノール酸などの高度不飽和脂肪酸を増やすことが動脈硬化、心疾患の予防に好ましいとされていました。
  しかし、様々なデータによりリノール酸摂取の弊害が指摘されてきました。それは、リノール酸が体内にてアラキドン酸に変換し、その代謝産物が炎症、アレルギー、血小板凝集能の亢進さらには大腸ガン、乳ガン、肺がんなどにも関係することがわかってきたからです。
  従って、リノール酸群(ω6系脂肪酸)を減らし、それと拮抗する作用のあるαリノレン酸群(ω3系脂肪酸)を増やす食事が理想的となるわけです。AHA(アメリカ心臓学会)においてもω3系脂肪酸は、単に脂質として優れているだけでなく、心筋梗塞の原因となる血栓が形成されにくくなり、心臓突然死の引き金になる不整脈の予防にもつながると説明しています。
  具体的にはリノール酸の多い油(紅花油、ヒマワリ油、コーン油,大豆油、月見草油など)を減らし、またこれらを使用した製品、マーガリン、マヨネーズ、ドレッシングに注意し、さらにポテトチップス、ポップコーンなどの菓子類にも注意が必要です。
  好ましいものとして、αリノレン酸の群、野菜類,魚介類を煮たり焼いたり、あるいは生でたくさん食べることが望まれます。油としてはしそ油、えごま油を自家製ドレッシングとして用いるのがいいでしょう。高オレイン酸油であるキャノーラ油、オリーブ油などは天ぷら、揚げ物にはむいており、リノール酸の害は少ないが何らかの有害因子を含んでいる可能性があり、とりすぎは危険です。動物性脂肪(バター、牛脂)は高温調理に適しており、菓子類では高リノール酸油と置き換えるのが良いとされています。

  日本人の食生活は戦後大きく変わり、特に油の摂取量は急激な変化をみせています。1985年のデータでは、1日60グラム (総カロリー2200カロリー中25%)までになり、脂質生化学の分野では油脂摂取量の増加と、がん、心臓病、糖尿病等の成人病の増加との相関関係や、アトピー性皮膚炎等のアレルギー疾患との関係が指摘されています。
  しかし、ひとくちに油脂摂取量の増加といっても、実際は、摂取する油(脂肪酸)の種類とバランスが問題とされ、偏った油の摂取は、身体の調整能力のアンバランスを生み出します。食用油(脂肪酸)の選択は、どの種類の油を摂るかがとても大切で、戦後、『植物油を摂ろう』 と言われた、植物油の中の〝リノール酸系列の油〟の摂り過ぎは、大きな問題と考えられています。
  そして現在、健康を維持していく上で、この偏りを調整するためには、同じ植物油の中でも従来の油と全く違った〝α-リノレン酸系列の油〟が必要とされているのです。しそ油は、えごま(シソ科植物)より抽出した α-リノレン酸をたっぷりと含んだ、とってもヘルシーなオイルです。さらに、オリーブ油、マカデミアナッツ油をバランスよくブレンドすることで、酸化安定性の高い、おいしい食用油となっています。

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えごまの葉

  えごまの葉は、シソ系統の品種群の香りが好まれてきた日本では、えごま特有のペリラケトンの臭いを不快臭としてきて野菜としての利用はほとんど見られませんでしたが、朝鮮・韓国料理ではむしろ好まれ、香りのよい種類をよく使います。最近は日本でも本場の朝鮮・韓国料理が普及し、えごまの葉の香りを食欲をそそる香りとして受け止める変化も生まれつつあります。

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